食べちゃうよ。
凄腕バイト。
そう呼ばれるのも分かる気がした。
諒君は柔軟で、周りが見えていて、客にもスタッフにも神対応で。
みんなから好かれるタイプなんだろうと思った。
あたしは諒君と一対一でしか会ったことがなかったから、こうやって人と話している諒君を見るのが新鮮だ。
「上野、カウンターの一番、皿があいてるぞ」
「俺、下げてきました」
「川島!二階が回ってないみたいだ!」
「俺も行きます」
諒君はそう答え、
「行こ、ちーちゃん」
あたしの手を引いた。
諒君、不意打ちなんてズルいよ?
あたし、すごく意識しちゃう。
仕事なのに頭の中は諒君でいっぱい。