食べちゃうよ。
ドキドキドキドキ……
やっぱり鼓動が速い。
身体が熱い。
頭が麻痺しそう。
「いけないこと?」
なに、それ。
あたし、期待してもいいの?
諒君はあたしを見下ろしたまま、あたしの手を握る。
それだけで心臓が破裂して、ロケットみたいに飛び上がりそう。
「燃えるでしょ?
こうやって二人だけの秘密で……」
諒君はゆっくり顔を近付ける。
綺麗な顔が近付き……
身体が粉々になりそうなほど熱くなって……
ふと思った。
ちょっと待って、あたし。
諒君、きっとまた未遂で終わるよ。
あたしの反応を見て、からかってるんだ。
騙されないよ。
あたしはきゅっと口を結び、近付く諒君の顔を見た。
綺麗、その一言だ。
大きな瞳、整った鼻筋、少しにやっとした唇。
思わず見惚れてしまう。