食べちゃうよ。
「ちーちゃん……目ぇ閉じて?」
閉じないよ?
だって諒君、あたしのこと、からかってるんだもん。
それかまた、何かに遮られるんだ。
「閉じてって言ってるでしょ?」
諒君はそう言って……
あたしの瞼に軽く唇を付ける。
「!?」
閉じた瞼から大きな電撃が走り、呼吸が荒くなる。
ちょっと待って!?
諒君、なんてことしてるの?
硬直するあたし。
心臓が破裂しそう!!
唇じゃなくて瞼?
いきなりレベル高すぎるよ。
だけど……
「ふふ。かわいい」
諒君の声が聞こえ、瞼に寄せられた唇が離れる。
どぎまぎして目を開こうとしたあたしの唇に……
何かが当たった。
柔らかくて、温かくて……
それが唇だと気付くのに、少し時間がかかった。
そして、鈍器で殴られたようにぼんやりする頭で考えた。
あたし……
あたし……
諒君にキスされた!?