食べちゃうよ。
諒君はあたしを見てくすりと笑い、
「はい!」
いつもの明るい声で返事をする。
そして、あたしの顎から手を離し、後ろを振り返った。
それと同時に、靴箱の陰から上野さんが現れた。
どうやら上野さんには見られていないらしい。
上野さんはいつもの偉そうな口調であたしたちに告げる。
「八代君は俺とチェンジ。
一階を手伝ってあげな。
川島は俺と二階」
「えっ?最悪」
思わず口に出してしまう。
すると上野さんはあたしを見て、再び口を開く。
「川島はチャラいからな。
八代君を襲おうとしてたんだろ?」
「それ、逆ですよ?」
そう言ったあとにはっと気付いた。
あたし、何てことを言ってるんだろう。
上野さんはあたしと諒君の関係を知らない。
それに、諒君がサボってるって言っているのも同然だ。
つい、上野さんがウザくて……