食べちゃうよ。
「ちーちゃん、一緒に上がれたし、これから飲みにでも行く?」
不意に発せられた、嬉しすぎる言葉。
諒君、あたしを喜ばせるツボを知ってるの?
諒君といられるのが嬉しくて。
また、二人でデート出来るのが嬉しくて。
あたしは勢いよく頷く。
「ふふ。ちーちゃん、可愛いね」
諒君はまたそんな甘いことを言う。
その瞳で見つめられるほど、甘い言葉を囁かれるほど、その手で触れられるほど、あたしは諒君から離れられなくなるのに。
浮かれたあたしはすっかり忘れていたんだ。
あたしは、上野さんに喧嘩を売って、無理矢理飛び出してきたことを。