食べちゃうよ。






しーん……




あたしたちのテーブルに、沈黙が降りた。

諒君か日本酒のおちょこを持ちながら、黙って上野さんを見ていた。

あたしは、やたら騒がしい胸をぎゅっと掴み、上野さんは焼酎のボトルを握りしめ、下を向いていた。





ドキドキドキドキ……



胸が煩い。

もちろん、上野さんのことは好きではない、これっぽっちも。

だけど、思わぬ告白をされて、それを諒君も聞いてしまって。

どうしたらいいのか分からなくなった。





上野さん、あたしのこと、好きだったの?

ずっとずっと貶してたのに。

あたし、上野さんに嫌われていると思っていたのに。

なんだか、小学生みたいな愛情表現だ。

だけど……

諒君は気付いていたんだよね。

軽く忠告されたから。




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