食べちゃうよ。

こんなあたしの頭に浮かぶこと。

それは、上野さんに返事をしないといけないということ。

もちろん、返事はノーだ。

だけど、どう伝えたらいいのだろう。

いつものノリで、あんたなんか嫌い、という？

それとも、好きな人がいるって言う？

あたしの苦手な上野さんなのに。

なのに、傷つけるのが可哀想と思ってしまう。

何やってんの、あたし。

こんなところで同情してはいけないのに。







「同情すれば、それだけ相手は辛いんだよ」




あたしの考えを分かっているかのように、諒君が言う。

そして、諒君は上野さんを見て、口を開いた。




「ごめんなさい。

俺、ちーちゃんと付き合っています」