食べちゃうよ。





「諒君、落ち着いて!」



あたしは苦し紛れにそう言い、



「落ち着く?」



あたしの目の前で止まった諒君は、ふっと鼻で笑いながら繰り返した。



「俺、落ち着いてるよ。

……ううん、落ち着いていないのかな。

もう、待てない」




なに?

どうしたの、急に!




「ちーちゃんが俺のこと百パーセント信じてくれるまで待とうと思ったけど、無理だよ、ごめん」



「ちょっと……諒君?」



「上野さん見て思ったんだ。

ちーちゃんは俺のなのに!

他の男になんてあげたくないのに」




初めて聞く、諒君の余裕のない言葉。

諒君の本心。

すごくすごく嬉しくて、頭が甘く痺れる。




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