食べちゃうよ。










「なるほどね……」




月曜日、綾香が元気のないあたしの話を聞いてくれた。

そして、困ったようにあたしに言う。




「八代君がモテるのは当たり前だよね。

本人がモテようとするつもりがなくても」





そうだよね。

だって、諒君はかっこいいし、性格だっていいし。

考え出してもキリがない。





「それで、千草はどうしたいの?」




綾香の言葉に、ぽかーんと綾香を見た。




「どうしたいって……」





不安だ不安だって言って、あたしは何かをしようとはしていなかったことに気付く。

直斗の時もそうだった。

あたしは臆病で、現実を見るのが怖い。

でも、同じ過ちを繰り返してはいけないと思う。


< 144 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop