食べちゃうよ。





「それより、何の用なの?」




嫌々直斗に聞く。

……聞かなくても、何となく分かっていた。

バイト先で会った時、直斗は言っていたから。





「もう一回、俺とやり直さね?」




そう言って、あたしを見てキメのスマイルを放つ。




あー、馬鹿馬鹿しい。

あたしはもう、直斗マジックから抜け出してるっていうのに。

その手には、もう二度と引っかからない。





だけど……

気になるから聞いてやった。




「もう、浮気しない?」



「するわけねぇじゃん」




直斗は悪気もなく嘘をつく。

するわけねぇじゃん、なはずない!

たって、直斗、浮気したこと反省してないでしょ。

あたしに謝らなかったし、次はバレないようにって友達に言ってた。






「そっか……」





なんて断ってやろうか。

それとも、全く相手にしないのがいいのだろうか。

あたしは頭の中で色々考えていた





……が……。




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