食べちゃうよ。

沈んでいた。

だけど、早く気付いて良かったかもしれない。

八代君は高嶺の花。

はじめから、手を出す相手じゃない。





自分にそう言い聞かせたのだが……




ピンポーン。




チャイムが鳴り、ビクッと飛び上がる。





こんな時こそ一人でいたい。

八代君に会いたくない。

だけど……

扉の向こうには八代君が立っていて。

いつもの笑顔であたしを見ていた。





「川島さん、俺に用事あるんじゃないの？」




何も知らない八代君に、




「ううん、何でもない。

たいしたことないの」




必死で言い訳をするあたし。




「本当？

でも、俺、暇なんだよね。

今から一緒に……」