食べちゃうよ。








「謝りなよ」




あたしの思考を、その言葉が遮った。

いつも聞いている、柔らかくて優しい声。

だけど、今日のその声には棘があった。




「は?」




直斗は眉間に皺を寄せ、諒君を見る。

あたしも驚いて諒君を見た。





諒君は、直斗を見つめていた。

いつもの諒君だけど、その瞳はどことなく強かった。




「ちーちゃんに謝りなって言ってるんだよ」




諒君はもう一度言う。

その語気は、さらに強かった。



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