食べちゃうよ。
こんな修羅場なのに、あたしの胸が甘くときめく。
諒君に抱きつきたい衝動に駆られる。
でも、やっぱり頭に浮かぶ、沙織の存在。
諒君……その言葉、本当なの?
あたし、どうすればいいの?
「ちーちゃん」
諒君は一歩あたしに近付き、手を握る。
例外なくビクンと飛び上がるあたし。
こんな時に駄目だよ。
あたしの身体、またおかしくなってしまう。
「ちーちゃん、分からないみたいだから、教えてあげようよ。
俺がちーちゃんのこと、どんなに好きか」
諒君と視線が絡まり、目が離せなくなる。
胸が熱い悲鳴をあげる。
握られた手から、火が吹き出しそう。
あぁ、諒君ってすごい。
一瞬であたしを、ここまで夢中にさせるから。
あたしはやっぱり、諒君の虜。