食べちゃうよ。
「……ね?
俺たち、お互いのこと大好きなんだよ」
諒君は直斗に静かに言う。
諒君はこんなに冷静なのに、あたしは身体全身で諒君に酔っている。
ふらふらする足で踏ん張って、立っているのがやっと。
「俺、君の分もちーちゃんを大切に出来るから、安心しなよ」
諒君の言葉に、直斗は黙ってあたしたちを睨む。
刺されてしまうような視線だった。
でも……
チッ……
直斗は舌打ちをして、踵を返す。
そして、無言であたしたちに背を向けて去っていった。
諒君の言葉が、すごく嬉しかった。
諒君があたしを大切に出来るって言ってくれて、涙が出そうだった。
あたしも諒君を信じたい。
でもね……
解決していないよね、沙織のこと。