食べちゃうよ。





「な……」




あたしは顔を強張らせていた。




諒君はシロ。

シロ以前に真っ白だ。

あたしの馬鹿!!

善良な諒君をどれだけ疑っていたの?






「ごめん……」




謝るしかない。

かっこいいからって、実は肉食系だからって、あたしは諒君を偏見の目で見ていた。

諒君はあれだけあたしを安心させようとしてくれたのに。

デートしてくれたり、バイトにヘルプで入ったり。

上野さんや直斗にも、堂々と交際宣言してくれたよね。

それなのに、あたしは沙織のことばかり気にしてた。

あたしは馬鹿だ。

謝っても謝りきれない。






だけど、



「良かった、ちーちゃんが信じてくれて」



諒君はすごく嬉しそうな顔をする。

ぱぁーっと諒君の周りが明るくなるような笑顔。

その笑顔を見ると、あたしまで嬉しくなる。



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