食べちゃうよ。







どのくらい唇を合わせていたのか分からなかった。

実際はそんなに長くないはずなのに、すごくすごく長く感じた。





あたしの頭と身体は麻痺して、息をしているのでやっと。

唇を離した諒君は、あたしを見ていたずらそうににやりと笑う。

勝ち誇ったような笑顔だ。

いつもの諒君はほんわりとして、優しい笑顔。

だけど、今日の笑顔はやっぱりいつもと違う。

獲物を狙う、狼みたいな目をしていた。

諒君、こんな顔することあるんだ。



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