食べちゃうよ。
「へーぇ。
八代君、うさぎじゃなかったんだ」
綾香がニヤニヤして言う。
「でも千草いいなぁ。
八代君に抱かれたなんて」
「抱かれたもなにも……
全く記憶がないんだよ」
あたしは意気消沈して答える。
お酒には強いほうだと思っていた。
記憶を飛ばすのはおろか、悪酔いすることすらほとんどなかったあたし。
それが、こんな大切な時に限って何も覚えていないなんて。
何も理解していないまま、諒君と朝チュンしちゃったよ。