食べちゃうよ。
「諒太って、今彼女いたっけ?」
ドキッ……
胸が大きな音を立てる。
そして、
「えー。今はいないんじゃない」
胸が痛くなった。
あたし、諒君の彼女だよね。
彼女でいいんだよね。
それに……
「今は。」
いちいちそんな言葉が気になる。
諒君がモテるのは分かるけど、こんな会話聞くとやっぱり辛いよ。
彼女たちはあたしが話を聞いていることなんかに気付かず。
キャハキャハと笑いながら遠ざかっていった。
「諒太、かっこいいのにね」
とか、
「あたしなら諒太と付き合いたいけど」
なんて言って。
その一言一言が、ボディーブローのようにあたしを痛めつける。
そして、あたしを焦らせる。
このままじゃいけない。
諒君にあたしだけを見てもらわなきゃ。
誘惑は一時休戦!
あたしは繁華街へと駆け出していた。