食べちゃうよ。




もっとお洒落しなきゃ。

文系の女の子たちみたいに輝かなきゃ。




そんなことを思いながら、あたしはデパートの婦人服売り場を歩く。

そして、普段買わないような高いブランドの服を見た。

高い服はやっぱりお洒落で洗練されていて。これを着たら諒君喜んでくれるかな、なんて思ったりした。

そして、バイトで貯めたお金をはたいて、たくさん服や化粧品を買ってしまった。






こんなあたしの頭に浮かぶ、元彼との話。




「あ、今日、財布忘れた」




元彼は何気なくそう言う。




「仕方ないね~」




あたしは元彼の分もお金を払う。

止めようとしても止められなかった。

元彼に貢ぐことを。

今も止められないんだ、諒君に好かれるために、服を買うことを。

あたし、つくづく駄目な女だよ。






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