食べちゃうよ。
いつも通りの諒君。
その笑顔を見たら、少しだけ安心した。
だけど次の瞬間、
「ちーちゃん?」
少し眉を寄せてあたしを見る。
ドキドキドキドキ……
相変わらず鼓動が速い。
諒君、いつもと違うあたしに気付いてくれるかな。
喜んでくれるかな。
期待に胸を寄せていた。
諒君は怪訝な顔をしたまま、あたしに一歩近付く。
そして、
「……どうしたの?」
そう聞いた。
「どうしたの?って……」
思わず言葉に詰まってしまう。
あなたのために、お洒落したの、なんて言えば良かったのかもしれない。
だけど、あたしにはとっさにそんな返し出来なかったし、何より素直になれなくて。
いや、正直な気持ちを伝えて、諒君から引かれるのが怖かった。