食べちゃうよ。




なんで?

あたし、今すごくお洒落しているんだよ。

それに、いつもより綺麗で大人っぽいんだよ。

諒君の周りのキラキラ女子たちも、こんな格好してるじゃん!




怖い。

怖いけど、




「なんで?」




聞かずにはいられない。

だって、諒君に喜んでもらうために、お金もいっぱい使ったんだもん。






諒君は少し困った顔であたしを見た。

そして言う。




「ちーちゃんはちーちゃんらしくしてればいいんだよ」



「え……」



「こんな服、ちーちゃんには似合わない」




そう言って、諒君はあたしを見て力なく笑った。





なんでそんなこと言うの?

あたし、諒君のために頑張ったのに。

もちろんショックは大きい。

でも……

なんだか少しホッとした。

あたし、キラキラ女子に惑わされて背伸びしすぎたのかもしれない。

あたしらしくしてればいい。

その言葉に救われた気がしたんだ。



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