食べちゃうよ。





「あたし、彼氏出来たんだ」




正直、諒君のことはいまだに気になる。

沙織とどうなるのか。

あたしは唯一無二の彼女と思っていいのか。

でも、直斗を信じるくらいなら、諒君を信じたいと思ったんだ。






直斗は驚いた顔であたしを見る。

まさか、あたしに彼氏がいるなんて思ってもいなかったんだろう。

そして、この事実を疑っているのだろうか、




「同じ大学?なんて名前?」




なんて聞きだす。

ここで諒君の名前を告げたら、諒君に迷惑がかかってしまうかもしれない。

だけど、言わずにはいられなかった。




「八代諒太」






諒君の名前を聞くと、胸がじーんと痛くなった。

あたし、やっぱり諒君が好き。

直斗なんてどうでもいいくらい、諒君が好き。



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