食べちゃうよ。
久しぶりに会った直斗は、あたしの心を再びズタボロにして去っていった。
暗く沈んだあたしはなんとかバイトを乗り切り、家路につく。
時間は十二時すぎ。
もちろんこんな時間から諒君と会うつもりもない。
沙織と直斗からのダブルパンチを食らったあたしは、一人で傷を癒して眠ろうと思った。
マンションを見上げると、諒君の部屋は明かりがついていて。
諒君は家にいるのだろう。
そして、どこからともなく女子の笑い声がする。
まさか……
まさか沙織じゃないよね。
凍って、砕けてしまいそうなあたしの心が悲鳴を上げた。