食べちゃうよ。





オートロックを開け、エレベーターに乗る。

そして、エレベーターを降り……



コツコツコツ……



あたしの足音がマンションに響く。






そして、




「キャハハッ」




やっぱり女子の笑い声が聞こえる。

さっきよりも近く。

もしかしたら、同じ階かもしれない。

本当に諒君の部屋からなのかもしれない。





神様、これ以上あたしをどん底に突き落とさないで。

そう思った時……





「ちーちゃん」




あたしを呼ぶ声が聞こえ、ビクッと飛び上がった。





柔らかくて、温かいその声。

あたしの心の氷を溶かしていく。

そして、再認識する。

あたし、やっぱり諒君が大好きだ。



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