食べちゃうよ。



きっと、諒君はいい気しないだろうな。

何てったって、元彼に会ってしまったんだから。


だけど諒君は、



「うん、分かってるよ」



笑顔で笑っていて。




「俺の友達が偶然その会話を聞いていたらしくて。

俺の名前が出たみたいだから、びっくりして連絡くれたんだ」




そうなんだ。

世間って狭いな。

そして、壁に目あり障子に耳ありだ。




だけどホッとした。

諒君はあたしを疑っている訳じゃないんだ。




……ん?

あたし、こんなことを思いながらも、ずっと諒君を疑っていたよね。

あたしが二番手だとか、沙織とよりを戻すとか。



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