食べちゃうよ。





悪いことをしたわけではない。

でも、やっぱり隣人と会うのは緊張する。

引っ越しで迷惑をかけているし、まだ挨拶にも行けてないし。

あたしは少し強張った笑顔で、隣の家の住人を見た。






男性としては、少し小柄なほう。

ほわっとした茶色い髪に、くりっとした大きな瞳。

整った鼻筋に、口角を上げた唇。

なんというか……

かっこよかった。

柔らかな雰囲気の、癒し系イケメンだった。







思わず見惚れてしまったあたしに、彼は言う。




「隣に引っ越してきた人ですか?」




あたしはとっさに頷く。




まずい!

こんなイケメンが隣の家なんて。

生活音聞かれたら恥ずかしいじゃん!

トイレにも入れないよ。



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