食べちゃうよ。




「ちーちゃんがそんな可愛いことばっかり言うなら、俺だって反撃するよ?」




可愛いこと?

そんなこと、言った覚えもない!

諒君もアタマおかしくなってしまったの?

この暑さでやられたのかな?





そう思ったが、あたしだってアタマがおかしくなっていて。

諒君に抱きしめられたまま、諒君のシャツをぎゅっと握り、胸に顔を埋め……

諒君が欲しい、なんて思った。







「ちーちゃん……」




名前を呼ばれ、顔を上げる。

すると、諒君の大きくて綺麗な瞳と視線がぶつかって。

さらに身体が熱を発する。



ドキドキドキドキ……



鼓動が最高潮に達して……



諒君の唇が近付き……



その距離一センチ。



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