食べちゃうよ。
え……
なんで?
まさか、こんなことってあるの?
厨房の入り口辺りに、彼は立っていた。
あたしと同じ制服を着て、いつものやんわりスマイルを浮かべて。
「八代君はホール?キッチン?」
「一応、どちらも出来ます」
「じゃ、今日はホールが回らないと思うから、ホールに出て」
店長は上機嫌で諒君に言う。
そして、諒君もはいときちんと返事していて。
諒君が他店の凄腕!?
何その話、聞いたことないよ。
ヤバイ、あたしのやる気なさと仕事の出来なさがバレてしまう。
せめて最大限頑張らなきゃ。
そう思った。