夏恋
キーンコーンカーン…
4限目があっという間に終わった。
「あー。つかれたーー。」
渚が私の机に来ては気持ち悪い声で唸っている。
「ほら、2人とも弁当ー。」
「あっ、未玖ありがとー。」
今日も防波堤でお昼ご飯。
3人、いつもの場所に向かう。
「そそ、2限の数学のプリントしてるときに小杉センセ、寝てなかった⁇」
「え?そうなのー?」
「ほんとほんと!寝てたってアレ!」
他愛もない会話をしていたらいつもの場所についた。
弁当を広げてると…
「そそ、昨日お母が駄菓子屋でゼリー大量にもらったらしくて、あげるー」
と渚が言った。
「おお!じゃあ、桃ゼリーいただくわ。」
みかんと桃で迷ったけどみかんゼリーにした。
「あー、最悪…アスパラ入ってる…」
未玖は本当にアスパラが嫌いだよね。
「食べようか?」
別にアスパラガスは嫌いでもないし。
「ありがとー、青羽!」
それからは3人ただただ黙々と食べ続ける。
「そだ、2人ともさ明日って空いてる?」
渚が尋ねてきた。
「なんかあった?」
「や、ちょっと隣町の駅前の雑貨屋さんに行きたいっていうか…」
明日?なんか用事あったっけ…?
しばらく考えてみる。
あ!櫂!櫂が来る‼︎
「ごめん!用事ある!日曜なら行けるよ!」
渚は少し考えるような顔をした。
「じゃあ、日曜にしようか。未玖は日曜空いてる?」
「うん。私もちょうど土曜は家の用事で空いてない。日曜は大丈夫よ」
と未玖が言った。
渚はよし!と言って手を叩いた。
「じゃあ、日曜でいいよね?」
「うん!」
渚は私たちを隣町の雑貨屋に誘って何の用があるんだろう…?
少し気になったが渚に聞くのはやめとこう。
そうだ…明日櫂が来るんだ。
楽しみだなあ…