夏恋
「あ、そろそろ行かなきゃ。んじゃ!またあとで」
未玖が防波堤の上から軽やかに飛び降りる
未玖の長い髪が揺れた。
「んん〜!」
渚が伸びをする。危ない危ない、下手したら海に落ちちゃうよ。
私は水筒の中のわずかな麦茶を飲み干した。
「あー、水筒の中のお茶なくなっちゃった。ちょっと自販機で買ってくる」
「んー、わかったー。」
「あっ!青羽‼︎数学の宿題やってきた?」
あー、いつものパターン。絶対に渚、宿題やってないな。
「やってきたけど…」
「みーせてっ!」
ハイハイ…。
「いいよー、机の中から取ってって!」
「ありがとっ!そいじゃ、先行ってるね!」
渚はタタタタッと校舎の方へ走って行った。
ーまあいいや、宿題やってあるし。
ー1人になりたかったし。
まだ昼休みの時間あるし、少し散歩しようかな。