夏恋
「あ、そろそろ行かなきゃ。」
私は慌ててかばんの中を探る。
あ、家にサイフ置いてきちゃった…
「今日はお金ないから中まで行けない」
櫂は笑った。
「別にお金払ってまで来なくていいよ」
あ、そうだよね…
「櫂、今度はいつ来れるの?」
私は櫂に聞く。
「んー。まだ部活の予定が未定なんだ。決まり次第連絡する」
櫂はいつも部活がない日にここに来る。
「じゃあ…」
櫂はひらひらと手を振ってホームに向かおうとした。
櫂が行っちゃう。どうしよう…