夏恋


「渚、明日先輩にちゃんと手渡しであげるんだよ?」

「う…わかってるよ…」

渚は去年の先輩の誕生日プレゼントを渡すのを未玖にパシらせてたよな〜。


「ていうか、そういえばさ…」


「青羽、なんかあった?」

渚がいつもの甲高い声で話さず、トーンを少し下げた真剣な声で話しかけてくるのに少し驚いた。



「どういうこと?」


私が問いかけると渚は静かに口を開いた


「今日のお出かけでなんか良いことがあったのかなって」

そう言って渚はいつもの可愛らしい表情に戻った。



良いこと…?



櫂に会えた…とか…?



今日はとても充実していたしどれもが良いことに当てはまるような…?


「…なんか雑貨屋さん?くらいから青羽がずっと笑顔で…もしかしたらなんかあったのかなって」

未玖まで…


櫂に会えたからかな…?


でも私、そんなに笑顔になってたの…?






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