きんだうぉー!! 〜タイムスリップ・天才幼稚園児戦争〜
「白井さん。奥様は検査の時間ですので、面会時間は終了です」
病室に入ってきた看護師が、父に告げる。
……もう面会時間終了?早すぎる。
わたしが顔を思わずしかめると、父がわたしに百円玉を渡してくれた。
「ロビーでジュースでも買ってきなさい。
お父さんは、少しお医者さんと話をするから」
「……うん」
小銭を受け取り、わたしは無言のまま病室を出る。
……まさか、もう……そんなに悪いのかな、お母さん。
嫌だ。やっぱり……失いたくない。死んでほしくない。
……でも、わたしには彼女を助けることなんてできないのだ。
わたしはこの気持ちを……どうすればいいのだろう。