悪魔野郎と天使くん
「おはよう、緑ちゃん」
なんだ、悪魔だけじゃなかったのか。
「それで緑ちゃんが迷ってるんじゃないかって、近くまで迎えに行く途中だったんだ」
「そんな事まで…」
うー…
「いやでもそれは、」
「ありがとう!」
「え?」
「あたし、ちょうど迷ってて…困ってたんだ。そしたらいきなり知らない男の子から声かけられて余計どうしたらいいか分かんなくなっちゃってて…」
「…そか。良かった迎えに来て」
優しすぎる瞬くん。
あたしを迎えに来てくれたなんて。
あの悪魔とは違ってね。
「ここだよ」
「ほ…」
いかにも体育倉庫って感じ。
誰もいない静かな体育館。
この倉庫にあの悪魔はいるの?
瞬くんはゆっくりとドアを開ける。
…と。