悪魔野郎と天使くん
「おせぇ」
「え…」
「おせんだよ!」
ガタン!!
なっ!
こ、コーンを蹴っ飛ばしてきたぞコイツ。
「まあまあ。怖がってるじゃん」
瞬くんはあたしの前に立つ。
「十五分前にメールしたよな?」
「…」
「だよな?」
悪魔はあたしに近づいてくる。
一体どこまで悪魔なの。
「俺を待たすとか度胸大ありだな」
「…なによ、十五分くらいいいじゃない…」
「あ!?」
「…っ!?」
しまった、つい心の声が…。
「お前」
「…」
「調子のんなよ?」
調子のってんのはそっちじゃん。
「緑。来てくれたんだから良いじゃない」
瞬くん…。
「は?何言ってんだ来るのは当たり前だろ?」
「いつまでも緑ちゃんを振り回さないでくれない?」
「だからって瞬には関係ないだろ。コイツは元々俺の物なんだよ」
「緑ちゃんは物じゃないよ」
「は…だる」
悪魔は瞬くんを睨みつけた後、次にあたしを見てこう言った。
「この倉庫にあるボール、全部磨いとけ。いいな?」
「…はい…」
そう言って悪魔は倉庫を出て行った。