悪魔野郎と天使くん
side 吉田 緑
「緑!!」
俺は女の声がした方に振り向く。
「あれ…瞬ちゃんは?」
「…知らねぇ」
「今日来てたよね?」
「さあな」
今は放課後。
俺はさっさと下駄箱に行く。
「それに今日の六時間目、あの子もいなかったよね」
「だからなんだ」
さくらは少し困った顔をする。
「あのふたり何かあるのかな…」
「だから。俺に聞くなよ」
「緑なら瞬ちゃんの事、何でも知ってるんじゃないの?」
「…それはもう前のことだろ」
「前々って…前も今も一緒じゃん!」
なんで怒ってんだよ。
「そんなんだから緑」
「いいから」
俺はさくらから去るように学校を出た。