悪魔野郎と天使くん


いつからだったっけ…


こんなような光景をどっかで見た記憶があった。


あれは確か…


「お母さん!遊びに行こう!!」


「昨日も遊んだでしょー?」


「今日はまだだもん!公園行きたい!」


「公園って、すぐそこの?」


「うんっ!!!」


「じゃあお母さん、準備してくるから待っててね」


「はーい!!」


あたしは家の玄関でお母さんが来るのを待っていた。


その日は丁度快晴で、いい天気だったのを覚えている。


「お母さんこっちこっち!!」


あたしはひとりっ子だったから、遊び相手がいつもほしくて。


だけどあたしは恥ずかしがり屋だったから、そう簡単に自分から友達をつくれなくて。


だからあたしの相手はいつもお母さんだった。

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