悪魔野郎と天使くん


さっきの半田先生の言葉が頭から離れない。


だけどあたしは別に、好きとかそんな感情はない。


半田先生も半田先生だよ。


なんであたしなんかに言うのか…。


「おかえり」


「瞬くん…」


瞬くんは、半田先生の事好きなんだよね。


「緑ちゃん?」


なのにどうしてあたしなんかに構うんだろう。


「ううん!何でもないよ」


「緑ちゃん、さくらに何か言われた?」


「え、ううん、」


「そう。ならいいんだけど…」


だけどあたしには関係ないよね。あんな話。


「緑ちゃん」


「え?」


瞬くんは真剣な顔でこうあたしに言った。


「今日は僕と一緒に帰ろう」


「え…」


だけど瞬くんはいつも吉田くんと帰ってるんじゃ…。


「ね?」


だけどその笑顔に負けました。

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