悪魔野郎と天使くん
瞬くん…。
かっこいい…。
吉田くんは五時間目が始まるギリギリに帰ってきたのだ。
吉田くんかなりお疲れ気味です。
そんな感じで今日の授業は終了。
もう、放課後をむかえていた。
「緑」
「なんだ瞬…」
「僕緑ちゃんと帰るから」
「あぁ。好きにしろ」
少しだけ、吉田くんの様子が可笑しいような気がした。
「吉田くん!」
あたしは廊下に出る吉田くんに向かって叫んだ。
「どうした緑」
「えっ!?」
よ、吉田くん!?
「ん?」
吉田くんが優しい…。
吉田くんが…笑ってる!?
なんで!?
すると吉田くんはあたしに近づいては耳元でこう言った。
「気をつけろよ?」
え…?
そしてあたしの頭をくしゃくしゃと撫でて歩いて行った。
『気をつけろよ?』
あの時の少年は…吉田くんなの?
なんで?
吉田く…
「緑ちゃん?」
「あ、瞬くん…」
「帰ろっか」
「うん」
だけどそれは、モヤモヤなまま…。