悪魔野郎と天使くん


次の日の朝、家を出ると瞬くんが壁に寄りかかってイヤホンをしていた。


かっこよすぎる…。


「あ、緑ちゃんおはよ」


爽やかな朝の始まり。


「お、おはよう…」


「行こうか」


そしてあたしに手を差しのべる。


「うん!」


瞬くんの笑顔をもっと見たいなんて思ったんだ。


学校周辺であたし達はみんなの注目の的になっていた。


「何あの子、まさか速水くんの彼女?」


「えー、速水くん狙ってたのになー」


「うそ!ありえない」


なんて数々のお声があたしの耳に…。


瞬くんは、何も気にしないでいいよって強く手を握ってくれた。


そんな感じでなんとか教室。


教室でもあたし達は注目されていたけど、


誰も逆らう人はいなかった。

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