悪魔野郎と天使くん
「緑!速水くんと付き合っちゃったの!?」
会って早々愛華ちゃんはあたしのところへ飛んできた。
「ち、違うよー」
多分…
違うのか?
だけどあくまで仮だし…
なんと説明したらいいのか。
あたしは愛華ちゃんに仮の彼女になったと説明した。
「仮って…まあそう言うのもありなのかな?」
「うーん、よく分かんない。でも瞬くんといると楽しんだよね」
「そっかー」
「うん」
「そう言えば今日吉田くん学校休みなんだってね」
「…え??休み?」
「知らなかったの?意外だね」
「知らない…」
「吉田くん、なんでも緑に言いそうなのにね。だけど昨日から熱あったみたいよ?」
「熱!?」
あ、れ…
そう言えば昨日…吉田くん可笑しかった。
いつもの吉田くんじゃなかった。
もしかしてあの時熱があったんじゃ…
「ごめん愛華ちゃん!あたし行くね!」
「えっ!?緑!?」
あたしは走った。
吉田くんのお家へ。
『それからね緑ちゃん』
『はい…』
『緑の両親は共働きでね、家庭よりも仕事を優先する人なのよ、だから緑はいつもひとりなの。その為にも瞬ちゃんとばらばらにしないでね』
半田先生がそう言ってた。
確かにあたしが吉田くんのお家に行った時両親はいなかった。
だとしたら吉田くんは今更ひとりで…
とにかくあたしは走った。