悪魔野郎と天使くん
「吉田くん!!」
インターホンを押す。
出ない…。
ドアノブを開けると、鍵が閉まってなかったみたいで開いた。
あたしは迷うこと無く吉田くんの部屋に行く。
「吉田くん!?」
すると吉田くんは部屋で倒れたようにしていた。
「吉田くん!大丈夫!?」
「…みど…り?」
吉田くんの顔は真っ赤で。
すごい熱だった。
「動ける?」
なんとかして吉田くんはベットの上に仰向けになった。
どうしよう、お薬とかスポーツドリンクとかいるよね。
あ、タオル。
瞬くんに頼みたいけど今は授業だし…。
あたしひとりでするしかない。
「吉田くん待っててね」
あたしは立ち上がる。
すると吉田くんはあたし足を掴んだ。
「吉田くん…?」
「…行くなよ」
「え…」
「ここにいろ…」
こんな時でも命令形なんて…。
吉田くんらしいよ…。
「じゃあタオルとお水だけ持ってくるからね」
そう言ってあたしは下に降りた。