悪魔野郎と天使くん

それに緑の熱の件だって何も知らされてなかった。


『ねぇ緑？』


『なに』


緑は小さい頃からこんな態度だったから今更どうってことも無い。


『僕ね、緑ちゃんを彼女にしようと思ってるんだけど』


『は？』


『ん？』


『お前、アイツの事好きなのかよ』


『そんなんじゃないよ』


『は、だったらなんで』


『んー、気になってるんだよね』


『…』


『緑がちょっかいだす緑ちゃんの事がね』


『そっちの気になるかよ。そんなんでアイツ利用すんな』


『利用すんなって、緑は充分なほど命令してるじゃん』


『俺とお前は違うんだよ』


『何が違うの』


『別に。とにかく気もないのにアイツに近づくなよ』


僕はもうそれ以上言わなかった。