悪魔野郎と天使くん
side 結城 緑
夕日のようだった。
「瞬くん…」
「さ、帰ろう?」
「うん」
瞬くんは変わらずにあたしに手を差しのべる。
瞬くん…。
「緑ちゃん?」
「え?」
「来週の日曜日、僕とデートしない?」
「…えっ!で、デート!!??」
「うん」
デートなんて、あたししたことない!
「だめかな」
「う、ううん!したい!」
「そっか。良かった」
うー、瞬くんとデートかぁ。
「緑ちゃんどこか行きたいとこある?」
「え、あたし?」
どこだろう。デートなんてしたことないから分かんない。
「どこでもいいよ?」
「うーん…あ、あたし映画見たいなぁ」
「分かった。映画にしよう」
「うんっ!!」
やった!映画デートだ。
「家着いちゃった」
「あっという間だったね」
瞬くんはそう言ってあたしの手をゆっくり話す。
少しだけ、寂しいなんて思っちゃうんだよね…。