悪魔野郎と天使くん


はぁ…。


高校生活で憧れていたのは、恋をするということ。


だけど実際よくわからない。


理想と現実は真逆なもの。


「愛華ちゃんと学校行くのって久しぶり」


「高校なって初めてじゃない?」


「うん!そうかも!」


「よね!だって緑、いつも行くの朝遅いんだもん」


「違うよー、愛華ちゃんが早いだけ」


「いやいや。でも私今日は少し寝坊しちゃって。そしたら緑前に丁度いたからさ」


「そうだったんだ。愛華ちゃんがこの時間とか珍しいと思った」


「でしょ?それに緑、いつも速水くんと一緒だったじゃん?」


「まあ…」


否定はできないけど。


「周りの女子はみーんな羨ましそうに見ちゃって」


「だよね…瞬くんみたいなモテモテとあたしみたいなの釣り合ってないし」


そうだよ、好きになったとしてもどうしようもない。


そもそもあたしは、瞬くんとは結ばれない。


半田先生言ってた。


もしどっちかを好きになったとしても気持ちは伝えないでって。


あたしが知らない時もずっと一緒だった吉田くんと瞬くん、


やっぱりふたりの関係を崩したくない。


あたしに関わって、かなり言い合いするようになったもん。

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