一目惚れ
プラネタリウムが終わり、
7月が始まろうとしている外は
あまりにも眩しすぎて、
もともと貧血気味の私には、
クラクラしてしまう。
うーギラギラする…
ようやく外の光にも慣れてきて、
目をゆっくりと開けると、
目の前にはモジャ男の顔があって…
近い…
いや。近すぎるでしょ…
「なに?」
にやけているモジャ男
なんなんだろ…
「俺がプラネタリウムとか、
キモイとか言われるかと
思ってたのに…俺が好きな場所、
るいも気に入ってくれてるっぽいから
まじ嬉しくてさ…
…
って自己紹介になってねぇか」
プラネタリウムという場所を
私が忘れていただけで、
モジャ男が好きな場所であることに
そこまで意外性を感じてはいない。
むしろ、
しっくりきている。
そう思える自分が意外だ。
「ここにいるあなたは今まで見た中で、
一番あなたらしかった」
「俺らしい?」
「どんな些細なことでも嬉しいって、
幸せだって素直に思えて表現できる」
そして
その幸せそうな顔は
きっと見た人を幸せにできる強さを
持っている。
そんな気がする。
「それは…」
モジャ男が何かを言いかけてやめた。
「…ありがと。るい。マジで嬉しいや」
…だからその顔。
…犯罪だ…
けど、モジャ男にはその顔が一番似合ってる。