一目惚れ


まんまと言いくるめられ、
個室に通された。

部屋には2人用のソファがあり、
腰をかけると、ガラス一面の窓からは、
いつも見る高さから見える景色とは数倍以上も、
開放感があり、見ていても飽きが来なそうだった。

ここなら確かに花火もよく見えそう。

でも…

花火は間近で見るからいいものなのに…

それにしても…めがねくんはお金持ちなのか?

「あの人何者なの?」

「ちょっと名の知れた不動産屋の息子。
毎年花火大会は客やら
まことのお気に入りの女やら呼んで
パーティしてんだよ」


「帰る。無理」

「あー今なら出られるな。行こう」
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