一目惚れ

「星川くん?覚えていますか?

私はあなたに

星川くんには青山はどう見えますか?

と、質問しました。


一般的には
彼は遊び人。
何を考えているかわからない人、
笑顔は偽物、本当は冷酷。

きっと、そう思われていたはずです。

女性に関しては
中学生の頃からだと思います。

来るもの拒まず、去る者追わず。
女性が来れば、なんでも受け入れる。

でも彼は誰にも、
好き、愛してる、という言葉は
言ったことがない。

もちろん私にも、
好きな人がいる、彼女がいると
言ったことはありません。

あなた以外は。

あなたに言う言葉の一つ一つは、
きっと青山が大切にしてる言葉たちです。

誰にも言うことができなかった本当の気持ち。

本当の笑顔もあなたにしか見せられない。


そこまではきっと星川くん、
あなたは気がついているはずですね?

気がつかないふりを
しているかもしれませんが。

現実に、彼は携帯の番号を変え、
新しい電話帳には、
家族、私、そして星川くんしか
登録されていません。

どうしてそんな2人は前に進めていないのか。

それは、あなたが
心に鍵をかけているからでしょうね。
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