ゆるりゆらゆら恋心
「でもまあ。待つだけ待ってみよーと思って」
「…」
「喧嘩しててもいきなり会えたら、それだけで結構うれしくない?」
「…うれしい」
「でも実際は伊都怒りながら駆け寄ってきたけどな」
「あれはだって! 依くんが勝手にルーズリーフ読もうとするから!」
「嬉しくてちょっかいだしたくなったんだよ」
「っ」
ぶすっとしていた依くんは、不覚そうにそう言って
「この行為は、さっきの伊都の質問の答えにはならないの?」
急に真面目な顔で私に問いかける。