ゆるりゆらゆら恋心
そんなこと言われたら、居ても立っても居られなくなって
「……」
気が付いたら依くんのマフラーを引き寄せるように引っ張って
そのまま唇を這わせるように重ね合わせていた。
「……ほっぺも、冷たい。
どれくらい待ったの」
こぼれる下手くそな笑みは
気恥ずかしさからくるもの。
「でも待った甲斐はあったけど」
依くんの溢れるような笑みを見たら、無抵抗にそれが移って。
その笑みが私の表情から溢れた瞬間が、私の中での喧嘩の終わりだと思った。
「あったかいココア飲みたい」
「飲みに行こ」
一段と寒い日に飲むココアが、きっと仲直りにふさわしい。
END